はじめに
日々の業務で様々な牧場へ訪問します。
たくさんの人がいて、さまざまなやり方や考え方があります。
私たちはそれぞれの農家さんのやり方を尊重し柔軟に対応していますが
中には対応に困ってしまう農家さんもいます。
私たちは限られた時間で往診をしているので、
どこかの農家さんでトラブルがあると別の農家さんに迷惑がかかります。
スムーズに授精業務ができるように協力していただければ幸いです。
どうぞ最後まで見ていってください。
授精師が困ること5選
1.牛を捕まえていない
ほんとによくある出来事ですが
授精師が到着してから牛を捕まえる人が多いです。
頭数が少ない場合でもけっこう時間がかかります。
連動スタンチョンがあれば割とすぐに捕まえることも可能ですが
連動スタンチョンが無い場合は、本当に時間がかかります。
ストールのベットに押し込んだり、投げ縄で牛を捕まえたり
やり方は多種多様です。
他の農家さんの迷惑になりますので
人工牛は事前に繋留してください。
2.人がいない
これもよくあります。
牧場に到着しても牛舎に誰もいません。
近くを探していない場合は、電話で呼んだり、家まで呼びに行ったりします。
またある時は、時間指定で授精依頼があった際
希望した時間通りに訪問したのに人がいない時がありました。
せめて時間指定の場合は、授精師が来るまで牛舎で待っていて欲しいです。
不在の場合は、事前に伝えてもらうか、メモを残してもらうようにしてください。
人を探すだけでも大幅に時間を消費してしまうので気をつけて欲しいです。
3.除糞をしていない
育成舎などに多いですが
除糞ができておらず、すごい量の糞が溜まっていることがあります。
膝くらいまであるときは、長靴も埋まって歩くのも困難です。
やっとの思いで人工牛にたどり着き、授精を行います。
こういう場合、農家さんはストール内には入らず外から見ているだけです。
ただ授精師だけが糞まみれになっておしまいです。
衛生面を考慮しても定期的に除糞した方が良いと思います。
せめて歩けるくらいにはきれいにしてください。
4.途中でいなくなる
授精の途中でいなくなる人もいます。
いなくなるタイミングは人それぞれですが、ほんとに困ります。
授精する精液の確認など、授精に必要な相談ができません。
また、1人での授精は無防備になるため事故が起きやすいです。
事故を未然に防ぐためにも最後まで立ち合いをお願いします。
どうしても離れなければならない場合は、ひとこと授精師にお伝えください。
5.牛が怖くて近づけない
たまにこういう人もいます。
実際に遭遇した牛は、とにかく神経質で近づくだけで暴れだす危険な牛でした。
その様子を見た農家さんは「この牛は危ないから1人で授精してくれ」と言いました。
私は耳を疑いましたが、当の本人は離れた場所から見守るだけでした。
どうしようも無くなって暴れる牛と格闘しながら
なんとかその時は授精することができましたが
ご自身が扱えない牛は早く処分してください。
私たち授精師も危険な牛には近づきたくはありません。
事故が起きてからでは遅いです。
事故が起きるまえに決断をお願いします。
さいごに
私が体験したちょっと困ってしまう出来事でした。
もし、これらに該当する人がいれば、ぜひ改善をお願いします。
私たち授精師は、限られた時間の中で日々、業務を行っています。
今回紹介したような事例があると、1件の農家さんに時間をとられて
他の農家さんに迷惑がかかってしまいます。
ちゃんと準備をして、私たちの到着を待っている農家さんに申し訳ないです。
すべての農家さんが気持ちよく利用してもらうために、
できるだけ効率良く往診をしたいと思っています。
農家さん1人1人の協力が不可欠です。
ご協力をよろしくお願いいたします。
コメント
授精師が困る牧場には往診しなければ良いのではないのでしょうか?
JAやNOSAIなどの団体職員なのか、個人開業をされている方なのかはわかりませんが、顧客の批判をこんなところでするくないなら、あなたが不満に思うそのようなモラルのない酪農家への往診は断ればよいと思います。最もあなたが顧客を選択できる立場にあればの話ですが。
貴重なコメントありがとうございます。
実際に現場を回っているといろんな人に出会います。今回紹介したような人も一定数います。
おっしゃる通り、私もこのような人とは極力関わらない方が良いと思います。
しかし、農家さんの立場から考えるとこれは大変もったいない行為だということを知ってもらいたくて記事を書きました。
授精師との良好な関係を構築することはとても重要であると考えています。
私も沢山の牧場を往診してきましたが授精師との関係が悪い牧場に未来はありません。
それは授精師が持っている情報を聞き出せれないからです。もしかすると何気ない会話の中から牧場の悩みを解決する糸口が見つかるかもしれません。
実際に授精師との会話からヒントを得て、経営を良くされた人を何人も知っています。
このブログを読んでいただいた人には、まずはこういうことがあることを知ってもらい、自分も同じにならないようにしてほしいとの思いを込めています。