記事について

酪農の知識や経験の浅い人に向けた内容になっており、イメージしやすいようにやわらかく丁寧に説明するよう心がけています。

フリーマーチンって何?【わかりやすく解説】

繁殖講座

はじめに

フリーマーチンってなに?

なんでフリーマーチンが産まれるの?

 

ちゃんと理解できていますか?

さっそく解説していきます。

 

フリーマーチンとは?

【フリーマーチン=双子で産まれた子牛】

と思っている人もいるかも知れませんが

実はそれ、間違いです。

フリーマーチンとは、双子(オスとメス)で生まれた個体のみを指します。

オスとオス』『メスとメス』の組み合わせはフリーマーチンではありません。

ではなぜ、『オスとメス』の個体のみフリーマーチンと呼ばれるのか?

それは、成長過程でオスとメスそれぞれの遺伝子が混入するからです。

これにより遺伝子(染色体)に異常が生じ、一般的に奇形児が産まれます。

【フリーマーチン=遺伝子に異常がある牛】

これが正しい認識です。

 

フリーマーチンは何が悪いの?

フリーマーチンの双子が生まれるとがっかりする酪農家は多く

ホルスタイン種(乳用種)の場合

オスは食肉用として育てられ、メスは牛乳を生産するために育てられます。

しかし、フリーマーチンのメスは、メス本来の目的である牛乳を生産できません。

それはなぜか?

フリーマーチンのメスには【繁殖機能がない】からです。

例:『子宮が無い』『卵巣が無い』『子宮頸管無い』『膣が無い』 など

 

牛は分娩することで初めて牛乳を搾れるようになります。

【繁殖機能がない=子供が産めない=牛乳が生産できない】

よってフリーマーチンのメスは、乳用種として価値が低いことになります。

 

繁殖機能があるメスもいる!

基本的にフリーマーチンには繁殖機能はありません。

でも、中には繁殖機能がある個体もいます。

繁殖機能があるか見分ける方法はいくつかありますが

最も確実な方法として遺伝子型検査(フリーマーチン検査)があります。

費用はかかりますが、誰でもどの牛でも検査することができます。

がしかし、検査した個体のほとんど(9割以上)はフリーマーチンと診断されています。

多額のお金を費やしても報われるケースは稀なため、おすすめはしません。

 

フリーマーチン検査に必要なもの

フリーマーチン検査までの流れを説明します。

【検査手順】

1,管轄している登録団体(農協など)に連絡してください。

2,登録担当者に該当牛の情報(個体識別番号など)を伝えてください。

3,後日、登録担当者から検査容器と申請書を受け取ります。

4,お近くの獣医さんに依頼して該当牛の血液を採取してもらいます。

5,獣医さんに申請書の必要事項を記入してもらいます。

6,検査容器と申請書を登録担当者へ渡します。

7,検査結果が判明したら担当者から通知されます。

8,後日、検査料金が登録団体より請求されます。

 

注意事項

フリーマーチン検査に必要なのは血液です。毛根では検査できません。

獣医さんに血液サンプルを採取してもらい専用の容器に入れてもらう必要があります。

担当した獣医さんの署名が必要です。

検査は通常2~3週間かかります。時期によって大幅に遅れることがあります。(正月休みなど)

検査結果が必ずしも受胎を保証するものではありません。

検査料金は、1頭当たり約1万円+αかかります。

詳細は管轄の登録団体にお問い合わせください。

 

さいごに

フリーマーチンについて理解できましたか?

そもそも双子が生まれること自体少ないことですが

牛の場合、2卵生(♂♀)の割合が高く、1卵生(♂♂、♀♀)は希少であり

だいたいフリーマーチンであることが多いです。

少しでも牛について勉強になれば幸いです。

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