記事について

酪農の知識や経験の浅い人に向けた内容になっており、イメージしやすいようにやわらかく丁寧に説明するよう心がけています。

問題牛は追い移植をやれ!【長期不受胎牛対策】

人工授精

はじめに

良い発情は来るんだけどなかなか受胎しない牛はいませんか?

授精回数ばかり多くて困っていませんか?

「数打てば当たる」では時間もお金も大きく失います。

今回は、長期不受胎牛(リピートブリーダー)対策として効果の高い

追い移植について解説します。

 

追い移植とは

追い移植とは、通常の人工授精したあとに受精卵移植を行うことをいいます。

様々な研究機関で効果が実証されており、リピートブリーダーに対して高い効果が期待できます。

すでに不受胎牛対策として確立していて多くの授精所が導入しています。

 

追い移植までの3ステップ

ステップ1 人工授精をする

発情が来たら追い移植用の精液を授精をします。

ステップ2 排卵確認をする

授精をした翌日に排卵確認をします。排卵が確認できるまで行います。

ステップ3 受精卵移植をする

排卵してから7日後に追い移植用の受精卵を移植します。

 

追い移植の注意点(デメリット)

1,種類を選べない

追い移植用の精液と受精卵はあらかじめ各授精所で選定されているものを使います。

2,費用がかかる

精液代、受精卵代、移植技術料、など通常よりも多く費用がかかります。

3,過大児が生まれるリスクがある

受精卵によっても異なりますが過大児が生まれることもあります。

4,双子が生まれる可能性が高い

AI由来受精卵とET由来受精卵の2種類が子宮に混在するため双子になりやすいです。

5,手間がかかる

人工授精時、排卵確認時、追い移植時の最低3回は牛を係留する必要があります。

 

さいごに

特にホルスタインは年々受胎しにくくなっているように思います。

繫殖については酪農家にとって大きな悩みの一つでしょう。

追い移植を行えば、リピートブリーダーでも2割~3割程度の受胎率が期待できます。

問題牛たちへのラストチャンスに追い移植はどうでしょうか?

まずは授精師さんにご相談ください。

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